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東のオウサマとの謁見
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「例の旅人はまだか?!」
「も、もうすぐでございます!陛下、落ち着いてください!」
いてもたってもいられずにうろうろと歩き回ってしまう。
「見えました!使いに出した馬車です!」
「アンタがオウサマ?」
深緑の瞳とくすんだ赤い髪。旅人らしい軽装。
昔読んだ童話に出てきた旅人そっくりだったから、少しだけ懐かしいように思えた。
「ディジリル・オーディリッヒだ」
「トーマだ。姓は別にいいだろ」
旅人───トーマと名乗った彼は姓は言わなかった。追われている立場……なのか?
「……昔読んだ本の旅人そっくりだ……」
「そりゃどーも。んで、なんで呼んだの」
「一度、国で噂になっている旅人がどのような者か気になってな」
「へぇ……満足?」
意外そうに笑うトーマ。不敵に見えるが、似合う笑みだった。
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