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昔から
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この家に渓史さんがいる事が不思議だ。3年前、渓史さんから離れようと決めてから今まで色んな事があったけど、こんな未来を想像をした事はなかった。どんなに辛い事があっても、渓史さんを好きでいるだけで良いと思っていた。
「…雅から聞きました。先生が俺を探してくれてた事。」
「ん?あ、あぁ。そりゃあおまえ…急にいなくなれば探すだろ…」
「そうですよね。でも、退学した元生徒のその後なんて学校側には何の責任もないわけだし、探す必要もないかなって思って…」
元担任としての立場だけみれば、渓史さんには何の責任もない。俺はそう言い訳して逃げている。
「そうだな。おまえがただの元生徒ならそうだろう。でもおまえはただの担任の先生とセックスをするのか?」
あまりにもダイレクトな物言いに驚いて赤面した。空が聞いてたらどうしてくれるの!
「あの日俺はおまえと気持ちが通じ合ったと思ってたけど、違うのか?」
違わない。俺は渓史さんが好きで、渓史さんも俺を好きだって言った。好きで、だから抱き合って、とても幸せで、だから離れた。
「俺はおまえがあの日、どうしていなくなったのか、それを聞きに来たんだよ、海斗」
名前を呼ばないで。俺の心なんて決意がすぐに崩れてしまうくらいグラグラしているのに、名前を呼ばれたら応えそうになる。
口を開けても、言葉が出ないけど…
「…俺は怒ってるわけでも、おまえに何かをしてほしいと望んでるわけでもないんだ。ただ、あの時俺が感じていた事が嘘だったのかどうか、それだけが知りたいんだよ。…少なからず俺にはそれを聞く権利があると思うんだけどな。」
怒ってるわけじゃないというのを体現する様に、渓史さんは優しい微笑んだ。
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