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情熱を知る
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おじさん。
そう聞いてあの弟くんの事じゃないだろうと勘付くのは嫌なもんだった。
空くんの言い方がいやに他人過ぎるから、違うんだろうなと思った。
海斗くんを「かいくん」と呼ぶのだから、弟くんの事も名前で呼んでいそうなもんだ。名前は知らないが叔父さんと呼ぶ気がしなくて、違うんだろうなと思った。
別の誰か、それは海斗くんが結婚をしていなくて、でも空くんがいて、なんとなく考えてしまう。
父親なんだろうか。
それかまた別の誰か。
どちらであっても僕の恋敵でしかないわけで、たとえ僕の方が横恋慕だったとしても、この気持ちを捨て置く事も出来ない。
海斗くんにキスをした。
抵抗されて、瞳には涙を滲ませて、
それでも彼が欲しくて。
僕は本気だと伝えたら、なんでか僕まで泣けてしまいそうで。
言葉にしてから余計に認める事になった。
本気だ。
本気で君が好きだ。
どうしてだろう。
僕は君の事はほとんど知らないのに。
君の中の何にここまで惹かれているのか、自分でも分からないけど、
好きだ。
好きだ。
もういい大人なのにだ。
どこに隠れていたのか、愛する事の情熱を知る。
「…愛してるのか」
「これ以上はやめて」と言う君の、
最後に触れた頬の温もりが、
今も手のひらに残っている。
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