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復讐に燃える 2
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翌日から、俺は作戦を開始した。
というのも作戦ってのは、アイツを雅と同じ思いにさせてやりたいので、俺に惚れさせた後に、すっぱりさっぱりツラっと綺麗に振ってやる事だ。
そうすれば、雅が振られてどんだけ辛かったか、アイツにも分かるだろう。
その為にもまず、俺に惚れさせる事から始めなきゃならないわけで、つってもアイツの好みのタイプとか知らねーし、かといって雅みたいに可愛い天使な男の子になれるわけでもないし。まずはアイツの事を知るところから始めなきゃならない。なんせ、アイツと接点を持つのは初めてなのだ。前はどっかの担任やってた気がするけど、雅の担任ではなかったし、教科担にもなってなかった。むしろ、アイツの担当教科って何?レベルにアイツの事を知らないんだ。
最愛の弟の恋人がどんな奴か、なんで調べてないんだって思うかも知れないけど、俺は雅を全面的に信じてるから、雅の選ぶ奴が悪い奴なわけなくて、だからそんな無用な詮索なんてするわけがない。
まぁ、こうなってしまっては、雅が選んだ奴とはいえ、詮索しとくべきだったと反省してる。次からは俺も気をつけてやらなきゃ。雅にはもうこんな思いして欲しくないから。
で、話しを戻すと、とにかく今年は俺の担任になったわけで、だからアイツを知るチャンスも、接点も毎日ゴロゴロ転がってるってわけだから、俺はこれを逃しやしないよ。
「木下海斗(きのした かいと)」
絶対にアイツを惚れさせてやるんだ。
「聞いてるのか、木下海斗!」
「うへぇあ!?」
「…それで返事をしたつもりか?」
「……はい」
朝の出欠の確認中でした。
ちょっと聞いてなかっただけでこの威圧感。クラスの空気も悪くなっちゃってんじゃん。やめなよ、担任がそんな事で不機嫌になんのはさ。雰囲気を良くするのも担任の勤めじゃないの?ぶっちゃけ今だから言うけど、雅もなんでこんな男を好きになったのか分かんないよ。見た目?ってんならまぁ悪かぁないさ。雅の好み悪くないね♡って思うけど、まぁ俺はそもそも男は恋愛対象じゃないんで、あー、イケメンだねー。位の感想しか持たない。でも同性愛者の偏見とかマジでないから。雅はバイセクシャルだけど、それでも天使は天使だもん。性癖なんて関係ないよね。嫌な奴は嫌だし、良い奴は良いし。それに性癖の関連なんかなんもない。だからそういう意味でこのクソ担任を嫌いなわけじゃないんだ。分かる?そう、雅を傷付けたから嫌いなの。バファリンの半分は優しさで出来てるけど、俺の9割は雅で出来てるよ。クソつまんない事言ったわ。でも、そういう事。
「でもどうすっかなー…」
「何が?」
「え?いや、谷原をさー…」
「俺を?」
「そう、おまえを………え?」
「おまえ、HR終わったら化学準備室に来い。」
「へっ!?」
「分かったか?」
「えっ、や、ちょっと、谷原っせん…せ…」
「今更先生付けてもおせーから。来なかったら一生パシリにすんぞ。いいな?」
「あ……はーい」
なんか色々間違えたくさい。
HRを終えて先に教室から出て行く谷原の背中を目で追って、なんだか汗が止まらない。教室を見渡せば残念な顔を向けられてるし。
てか、そもそもあれよ、
「化学準備室ってどこよ?」
行った事なんてねーわ。
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