アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
復讐に燃える 4
-
「…な、何も企んでませんけど。」
誤魔化してみました。
「嘘つけよ。」
誤魔化せませんでした。
「あれだろ?雅の事で俺に仕返しでもしてやろうって腹なんだろ?」
そこまでバレるんですね。まぁでも俺が谷原に何かを企むとしたらそれ位しか理由がないもんね。
「はぁ…そこまでバレちゃってるならしょうがないですよねー。」
「お、認めるんだ。」
「まぁ、その方が俺もやりやすいかなと思うし。」
「で、何をしたいの?」
「そこまではバラしませんよ。つうか一応聞いておきたいんだけど、なんで雅を振ったの?」
「…おまえに教える義理はない。」
「…ま、そうだよねー。理由がなんであっても俺、アンタの復讐やめるつもりないし。」
「復讐…ねぇ。何?雅がそう頼んだの?」
「んなわけないじゃん。雅は天使だよ。外見だけじゃなくて中身も天使なの。復讐とかそういう暗い事考える様な子じゃないの。」
「だったらなんでおまえがすんだよ。」
「雅がしないからだよ。俺は雅を守りたいの。それだけ。」
「とんだブラコンだな。」って言われたけど、俺にはそれ、褒め言葉だかんね。
「そういう事だから、よろしくお願いします!」
俺は深々と一礼する。どうかこの恨み、晴らさせてくれますように。
「じゃ、もういいですよね?失礼しました〜」
ここに来た時とは裏腹にちょっとすっきりしている自分がいる。バレずにこそこそやるには限界があるもんね!バレてるなら徹底的にやれるし、堕とし甲斐もあるってもんじゃん。やったんぞー!
なんて気楽に鼻歌を歌いながら教室へ戻る海斗だが、谷原は禁煙の化学準備室の窓際でタバコを吹かして不敵に笑っていた。
「…ふっ…可愛いやつだね…」
肌に心地よい春風が、カーテンを翻していた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 201