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曖昧な予知思考
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「なんか最近シュウ、すげえ押してるよな」
「物理的な。意味でも」
ハルトの背中を精いっぱい押して購買に連れて行っているシュウを眺めながら取り残されたサガラ達は昼食をとっていた。
「ハルトもまんざらでもなさそうだな。このままいったらもしかして」
ちらりとユツキの膝に乗っているサガラを見やる。こんな風にいちゃつきはじめるかもしれない。
そうすれば自分は本当の一人ぼっちと化すだろうが、友の幸せのためならそれもいいかな、とお人よし思考を爆発させて納得した。
「また夫婦が増えるのかと考えると、気苦労が絶えないな」
「ばっ俺たちは結婚してねえぞ!」
「サガラのことは言ってないんだがな…痛い!」
照れ隠しにリョウをぼこすかリンチするサガラ。
膝から温かな重量が退くと、ユツキはあごに指を添えて何かを思考するポーズをとった。
今までのささやかな日常は成りをひそめて、新たな可能性を模索するシュウの行動に、不可解な予感が浮かび上がっている。
それがよいものなのか悪いものなのかはまだ分からないが、少なくともユツキは良い変化だとは思えない。
考えすぎか、と思考をとめ、リョウとじゃれているサガラをいとおしそうに見つめたのだった。
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