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アイスクリームに踊らされる
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「うわーどれにしようかな」
「チョコレートも上手そうだけど、チョコバニラも上手そうだぜ!」
屋台のアイスクリーム屋の店先でうろうろするシュウとサガラ。
小柄で可愛い顔つきをした二人が顔を寄せ合ってうんうん唸っている光景は、女店員の胸をくすぐる何かがあった。
だが、その背後で仏頂面で立ちふさがる黒髪の巨人の存在で、あまり公ににやつけない。
「ははっまだ悩んでるのか。アイス溶けるぞ」
先に注文したミントアイスをなめるリョウの一言に、シュウ達はぎろりと睨みつけながら振り返った。
「ばっかだなリョウ!リョウって本当に馬鹿だよ!」
「そうだ!アイスは一種類しか選べないんだぜ!一瞬で決めた後先考えない馬鹿に馬鹿にされたくねえんだけど!」
「お前らの心はまるでアイスのように冷たいんだな。俺だけに」
アイス片手に落ち込むリョウを無視し、サガラは汗ひとつかかずに優雅に立っているユツキに話しかけた。
「ユツキは何にすんだ?」
「サガラが、迷ってるやつにする」
「マジでか!んじゃあ一口くれよ!」
「ん」
ラブラブっぷりを見せつけるサガラ達に、店員のお姉さんはぷるぷるふるえている。
「…んー。苺も捨てがたいんだけど…やっぱしバニラにしようっと」
汗ばんだ手で握りしめていた100円玉を名残惜しげに手渡し、たっぷり盛られた白いアイスを持って木陰まで走り去る。
ハルトはその後ろ姿を眺めながら、彼もアイスを注文した。
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