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番外編:ゲームをしませんか!2
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ハルトは混乱していた。
何故ならまだ幼馴染の域からはみ出していないシュウが自分の部屋に泊まりたいという。基本的にハルトからそんな誘いはかけない。
活発なシュウがハルトを誘い、遊びに出かけるというスタンスが定着している。気恥ずかしさと自分にできることではないと割り切っているハルトはポーカーフェイスで台所に立っていた。
今シュウはハルトの自室で寛いでいるはずだ。
慣れ親しんでいる部屋なので窮屈そうでもなかった。「寛いでろ」という前にベッドではねだしたから無言で階下に降りてきたのだ。自由奔放にも限度があると思う。
それはそうとして、ハルトは錯乱気味にジュースをコップに注いでいた。照準が微妙にずれてお盆の上に黒い水たまりを描いていく。
「シュウが俺の家に泊まり、たい。泊まる、だと?」
自分が震えていることにハルトは気付いていない。
手先だけではなく全身がガチガチに硬直していた。
馬鹿なあり得ない。なんだこの急展開は。今まで俺の部屋に何度も上がりこんできたが泊まりたいだなんて言ったことはなかった。夢か。俺が作り上げた幻想なのか。夢ならしばらく覚めないでほしいが。期待を持たせるようなことをするな俺の脳みそ。
無理だ。断固無理だ。理性が無理だ。もたない。
幸いにも、不幸にも父親は出張でいない。実質、二人きりの状態となる。
あちらは俺と二人なのに何の違和感も感じないかもしれない。だが俺は。己にここまで自信が持てないのは初めてだ。
シュウの寝顔を想像しただけでどこかの血管がプツンしそうだというのに。生寝顔と直撃してしまった自分がどのような行動をとるか。想像するのも怖い。そこまで盛っていないとは思う。もう一度言う。自信はない。
とにかく好きなやつと同じ夜を過ごすことに大してこんなにも動揺している俺を、知ってほしくない。
どうにかしてこの危機ともいえるイベントを乗り越えなければ。
コップの淵からあふれ出したコーラに、ハルトはまだ気付けずにいた。
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