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本日の運勢は最下位
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「遅いぞハルト!もうヒナトは中にいて勉強してる!」
約束時間ちょうどに出向くと、シュウが図書館の外で待機していた。
「中で待ってろ。ぶっ倒れるぞ」
「ハルトが遅いからじゃん。さあ行こう!」
このくそ熱い中、ずっと立っていたのかと思うと起る気もなくす。ハルトの腕をとって図書館へ入るシュウ。
奥にある4人がけの席に、二人分の陣地でふんぞり返っているヒナトが、だるそうに持ってきたシュウに目を向ける。
「んじゃやろうぜ!とりあえず追試に出る範囲を教えてもらおう!」
「ちっ仕方ねえな」
悪態をつきながらも教えてもらおうという姿勢を見せるヒナト。
ハルトは何も言わずヒナトと一番離れている斜めの席に着席する。
シュウはどこに座るのかと思えば、ハルトの正面、つまりヒナトの隣に腰を落ち着けた。
「なんでそこに座る」
「え?ハルトが先生ならこっちに座ったほうがやりやすいだろ?」
「………まあそうだが」
なんだか納得のいかないハルトだが、ヒナトも何故かシュウを追い払おうとはせず眉間に皺を寄せて教科書をにらんでいる。
「おい。範囲ってどこからだった」
「えっとーそれはねー…」
シュウはヒナトの教科書を除く。そうなれば必然的に二人の距離も縮まるわけで。
ほぼ肩を寄せ合う距離感にいる二人を、裂くこともできずハルトは無言で視線を落とした。
「………」
ただ今は、このもやもやした怒りにも似た感情を晴らす方法を教えてほしい。
今朝からうまくいかない日だな。
頬杖をついて嫉妬を押し隠すハルトだった。
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