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安定の一人ぼっち
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「おー混んでるなぁ」
「暑苦しいぜ…なんてこんな狭い所に人があつまんだ?」
「きっと…夏祭りだから…」
「わかってるよそんぐれえ!」
そんなこんなで彼らは夏祭りに訪れていた
夏休み最終日に開催されるだけあって大人と子供もまじりあった神社は、いつもの厳かな雰囲気など消し飛ばし活気に満ちあふれている。
「というかなんでお前たち私服なんだ?ここは浴衣だろー」
一人だけ浴衣を爽やかに着こなしているリョウは、私服のままの友人たちに唇を尖らせた。
そういう仕草は愛らしい少女がするからこそ効果が発揮されるのであって、サッカー少年が真似をしてみても何もときめかない。
「私服でいいだろ。むしろなぜお前だけ違うのか問いただしたい」
「祭りと言ったら浴衣!こういう趣があるものは衣服からまといなおし、気分から入ることが大切なんだ。シャツとジーンズで祝いの席に出るのか!」
「あっユツキ!俺金魚すくいやりてえ!」
「やろう…いっぱい、とってあげる」
「言ったな!どっちがたくさんとれるか勝負だー!」
「えっちょっと俺の話聞いてくれてもいいんじゃ!」
腕を組んで金魚すくいをしにいったカップルたちに、名残惜しげに手を伸ばすが勿論とめられるはずもなく、しぶしぶ引き留めることをあきらめた。
やれやれと呆れ気味に首をすくめ、背後にいるはずのシュウとハルトのほうに振り替える。
「さてあのバカップルは放っておいて、おれたちはどこかに行こうかっていない!?」
そこに見覚えのある友人たちはおらず、見知らぬ通行人が不思議そうにリョウのことを流し眼でとらえた。
「最近こんなのばっかりだな…」
おいてけぼりをくらい、さみしげに目元をこすった。
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