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何でもない朝
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優紀 side
ppppppーーーーー
「っ、朝だ……」
僕の1日は、朝5時半になる目覚まし時計の音から始まる。隣で眠ってるヒトを起こさないように気をつけながらベッドから抜け出し、すぐ下の弟、真輝君を起こしに3階へと上がる。
僕には弟が3人、妹が1人いる。それと、お父さん。6人家族だ。残念ながら、お母さんは1番下の菜木早ちゃんが産まれた6年前に他界した。元々、病弱だったお母さんは、子供が大好きで、作るだけ作って幸せそうに息を引き取った。
「真輝君、朝だよ。起きて。」
「んぅ……あさ?」
「うん。朝だよ。」
「わかった。おはよう」
「おはよう」
真輝君は今年から受験生。まだ進級したばかりだというのに、こうして朝早くから起きて勉強している。
別に、私立に入りたいわけでも、難関校に入りたいわけでもないと言ってるけど、僕には真輝君の考えていることがよくわからない。
僕は真輝君と一緒にリビングへと降りて、朝ごはんとお弁当を作った。幸い、僕の家族は好き嫌いがなくて、どんな料理でも食べてくれる。それは僕にとってとても嬉しいことだった。
朝6時、弟の友希君と賢斗君、それに妹の菜木早ちゃんを起こしにまた、3階へと上がる。
「友希君、朝だよ。」
「ん、」
「友希君?」
「うっせぇ……わかってんだよ……」
「おはよう」
「ん」
2番目の弟の友希君は、最近僕に対して態度が冷たい。反抗期というものらしい。
でも、僕は普通に友希君が好きだから、気にしてない。
「賢斗君、朝だよ。」
「ん、うぅ……にいさん……」
「はい、おはよう」
「んん~おはよう〜」
3番目の弟はの賢斗君は、いつまでも甘えん坊。今でも僕が手を引っ張らないと起きない。
でも、そういうところが可愛い。
「菜木早ちゃん、朝ですよ。」
「うにゅ……まだ眠いです(⊃ωー`).。oO」
「はいはい、起きてくださいね」
「にいさんとねるぅ~」
「起きるよ、はい」
「ん~おはようございます」
「おはようございます」
眠い目を擦りながら起きるのは、この家で唯一の女の子。朝は大人しいけれど、目が覚めてくると騒がしくなる。友希君に負けないくらいヤンチャだ。
3人を起こして、みんなで朝食を食べた。そしてみんなで身支度を済ませて、お弁当を渡す。
7時半に下の子達は学校へ登校する。あとはお父さんを起こして、と。
コンコン
「失礼します。お父様、朝ですよ。起きてください。」
「っ、おはよう、優紀。」
「おはようございます。朝食はどうなさいますか?一応、準備はしてあるのですが……」
「コーヒーだけでいい。」
「わかりました。」
「身支度したら下に行くよ」
「はい。では、失礼します。」
あぁ……緊張した。
なぜ、こんなに他人行儀かというと、僕はあの人の玩具だからだ。
中学1年から始まったこの関係。普通、みんながいる時はこんな感じじゃなくて、普通に「お父さん」って呼ぶけど、2人きりになると「お父様」と呼ばなければならない。
あの人に逆らってはいけない。それがルール。もちろん、他の人や弟妹にバレないようにしている。だから、お父さんも目に見える所に傷を付けないし、僕もそうならないように気を付けている。
お父さんが豹変するのは夜だけで、日中は何もしてこない。それは、平日でも休日でも変わらない。約束は守る人だ。
だから、僕もこの人との約束は必ず守る。
「じゃあ、仕事に行ってくるよ。夜、待っててね。」
「はい。行ってらっしゃいませ。」
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