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お願い 1
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「しばらくは手、使えないね。」
「……うん。……」
「心配しなくていいよ。」
「ぅえ?え?……ど、して……」
「俺と、真輝兄でサポートするから」
「だめっ!!」
そんなことしちゃだめだ。
お父さんのいない平日の昼間ならまだしも……あぁ……でもいつ帰ってくるかわからないからダメか。
でも、どっちにしろそんな事しちゃだめだ。絶対に。
「ダメじゃない。そんな手でどうやって家事すんの?
ドアを開けることすらままならなかったのに?」
「っ……だめ、ぜったい、だめ」
「俺、絶対引かないよ。兄さんがどれだけダメって言ったって、真輝兄と一緒に家事するから。」
「だめっ!!だめだめだめっお願い……やめてっ……」
もしこんな事やられたら、爪を剥がすだけじゃ済まされない。
お父さんは何をするかわからないから。
賢斗君や真輝君がいつ手を出されてもおかしくない状態になっちゃう……。そんなのダメっ絶対ダメっ。
「賢斗君、お願いっ……僕の仕事、奪わないで。」
「は?」
「家事をすることが僕の生きがいなの。僕の作った料理をみんなが美味しいって言ってくれるだけで、凄く嬉しくなるし、部屋を掃除すると、あのいつも冷たい友希君までもがありがとうって言ってくれる。なのに、どうして僕の手がケガしただけで仕事を奪っちゃうの?」
「ふざけんなっ」
そう言って賢斗君はリビングを出てしまった。
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