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甘え
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「ただいまぁ!!」
「おかえり、菜木早ちゃん」
4時12分、菜木早ちゃんが帰ってきた。
「あれ?今日はあっくん来てないです……」
「そうだね……」
「でも1人で勉強してきますっ!」
「待って」
「どうしたですか?」
「勉強は、いいよ。今日はね、叔父さんが来るんだっ」
少し、わざとらしかったかな?声が震える。
「叔父さん!!」
「うん。菜木早ちゃんの大好きな叔父さんだよ」
「「ただいま」」
「おかえりぃ」
「おかえり」
菜木早ちゃんは上機嫌でいた。
真輝君と友希君も帰ってきたし、あとは叔父さんを待つだけだ。
あ、賢斗君呼んで来なくちゃ。
「賢斗君、下に降りてきて」
「うぅ……ん?……わかった。ねぇ、兄さん来て」
寝ていたのかな?
「入るよ」
「ん。兄さん、扉閉めて」
「ご、ごめん」
賢斗君の部屋は、まだ4時だというのに暗かった。
カーテンも閉め切ってるし、電気をつけてないからかも。
「俺、兄さんと離れたくない。」
「うん。」
「兄さんは、俺達を捨てるの?」
「捨てないよ」
「じゃあなんで叔父さんとあんな事……」
「それは……ごめん……言えない」
「俺、やだ……兄さんも一緒じゃないと行きたくない。」
「ごめん……」
「やだやだやだやだやだぁ!!なんで?俺、知ってるよ?兄さんのこと。ねぇ、どうして?自分だけ危険な場所に残るって……自殺行為だって知らないの!?」
知ってる。そんなこと、知らないわけないじゃないか。
でもごめんね。
いくら賢斗君の甘えでも、これだけは……
心の中でも謝った。
一番わがままで、甘えたがりなのはきっと僕だ。
それに、自己中すぎる。
だめだなぁ……僕。兄失格だよ。
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