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一緒に
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「俺と死んで」
「……え?」
「お前のせいなんだぞっ!?お前の……お前のせいでっ!!
俺の会社は潰れたんだっ」
「うそ……」
僕の……せいで……?
「お前がっ、女の子を産んでいればよかったのにっ 最悪だ……」
お父さんはそう言いながら、僕に暴力を振るった。
もちろん痛かったよ?
でもそれより痛かったのは、ココロ。
僕が……女の子を産まなかったから……
お父さんはまた怒ってる。
僕が女の子を産んでいればこんなことにはならなかったし、お父さんを怒らせることもなかった。
僕は、子どもさえ産まれれば、お父さんに愛してもらえると思ってた。
けど、違ってたんだね。
僕は結局愛されない。
「車に乗れ」
「…………はい」
お父さんに1枚のバスタオルを渡され、僕はそれを体にまいて車に乗った。
車に乗ってる間、お父さんは無言だった。
僕は、声を押し殺して泣いた。
どうして僕はお父さんを怒らせることしかできないんだろう……。
僕は、お父さんが大好きなのに。
愛してるのに。
僕には、お父さんしかいないのに。
山奥のある小屋の前に、車は止まった。
僕は覚悟を決めた。
死ぬ覚悟はできた。
どんなかたちであれ、最後の最後までお父さんと一緒にいれるなら……
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