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涙
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「だっだめっ!!どうしてっ……新しい奥さんは?だめだよっ僕なんか……だって……だって僕はっ!!」
「ねぇ……新しい奥さんって何?俺の伴侶は優紀だけなんだけど」
「裕二さん……怒ってる?」
「怒ってる。お願いだから、もういなくならないでくれ。俺の事、少しでも好きだったら、俺の隣にいて」
そんなの……そんなの言われなくたって僕はもう……裕二さんのことが好きだよ。
「優紀?」
裕二さんは、少し焦った様に僕の名前を呼んだ。
「……すき、だよ。僕、裕二さんのことが好き。ううん、好きだけじゃ足りないくらい。
でも、僕は……汚いんだよ?いっぱいいっぱい、汚いんだよ?
それに僕、お父さんに、幸せになっていい人間じゃないって言われた。本当にそうでしょう?何回も何回も、僕、……っ……くっ……うっ……ひぅっ……うっ……い、われた……できそこない……いんらんけん、……だって……僕……こんななのに、裕二さんに言われたら、もう……うっ……ふぅ……」
「言わない。そんな事、これから先なにがあろうとも絶対に言わない。俺は優紀がいい。優紀じゃなきゃだめ。ねぇ、俺、こんなに優紀のこと好きなのに、一緒にいてくれないの?」
「本当っに、っ……うっ、くっ……いい、の?僕、まだ、裕二さんの、一番?」
「いいよ。いつだって俺の一番は優紀だ。それは一生変わらない。」
「うっ……ふぇっ……あ……あり、がと……」
「うん。……泣いていいよ。今まで辛かった分、沢山泣いて」
「裕二さぁんっもぉ……もぉ僕、裕二さんに嫌われたって……ーー!!」
僕は子どものように声を上げて泣いた。
裕二さんは僕を強く抱きしめて、頭を何度も優しく撫でてくれた。
僕の涙で自分の服が汚れているのにもかかわらず。
「っ……ひっく……うっ……裕二さん……」
「ん?何?」
「ごめんなさい……僕……また壊しちゃった……お家……僕のせいで……せっかく、直してもらったのに……それに、誘拐なんかされて……」
「大丈夫だよ。優紀が気にすることじゃない。これから裁判で慰謝料を請求するから。いくらにしようかな……」
裕二さんはかなり怒っている。
僕にじゃなく、中谷さんに。
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