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悲しい過去
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「蒼汰……あのね?」
僕は、君のパパでもママでも無いんだ。
僕は、君のお兄ちゃんなんだよ。
蒼汰のパパとママは今海外でお仕事をしているんだ
蒼汰が産まれて、お乳をもらわなくなってからね?
僕に蒼汰の面倒を見てくれないか?って相談に来たんだぁ
パパとママは、お仕事で大変だったからね?
僕が、蒼汰の面倒を見ることにしたんだよ?
毎月、パパとママからチケットが送られてくるんだ。
それは、パパとママに会いに行けるチケットなんだ。
蒼汰が小さい時に、パパとママと離れ離れになったから顔は分かんないよね…
とっても、綺麗なパパとママだよ?
お兄ちゃんも、ずっと黙っててごめんね?
蒼汰からしたら、少し難しい話かもしれない。
でも、真剣に大きな目をパチパチさせながらずっと僕の話を聞く。
だんだん、瞳の中が暗くなっていく蒼汰。
綺麗なブルーの瞳がだんだん深海のような色に……
「ぼくの、…………ママちあう!」
暗くなっている、瞳で僕を見つめ放つ言葉。
ママが……違う?
「……違うの?」
暗くなった瞳が歪んでく。
キツイよね?
「ぼくの、ママわ……」
もう、いいんだよ?
無理にお話してくれなくても……
「おにぃちゃ、ちあう!」
「ママなのぉ〜ヴゥ……ェエン」
ポトポト落ちる大粒の涙。
また、僕の隣を歩くの?
本当に、それでも、いいの?
本当のお母さんじゃないのに。
「蒼汰は、それで…………いいの?」
「ヴん、!まぁ〜まぁ〜!!」
いいのかな…………
このままでも…………
この子が決めた道だ。
きっと、大丈夫だよね。
僕は、君の手助けをお父さんとお母さんの代わりに一生懸命するよ。
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