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実らない本命
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それは、近くて遠い人。
「あれ?…………………何だ、悠斗寝てんじゃん」
時刻は、既に7時を回っていた。
女を駅まで送ってきた隼斗は、暗いリビングのソファでうたた寝をしている悠斗を見つける。
廊下の電気の明かりが、僅かに照らす、弟の顔。
無防備に唇を少しだけ開き、悠斗はエロい舌を覗かせる。
「ふーん…………………キス、してくれって、言ってるみたいだぜ?」
ミシ………………と、微かにフローリングの音を鳴らし、隼斗は爆睡中の悠斗へ歩み寄った。
キメの細かな美肌。
今日抱いた女よりも、肌が綺麗な我が弟へ、ゆっくりと近付ける隼斗の長い指。
「…………………………悠斗、起きなきゃ……………キス、するぞ……………………」
静かなリビングに広がる、隼斗の囁き。
どんなに求めても、届かない人。
「…………………悠斗……………………」
悠斗の唇を、隼斗の指が優しくなぞる。
「…………………俺の、悠斗……………………」
さっき、セックスしたばかりの身体が、また疼き出す。
実らない本命を、前にして。
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