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ジレンマ
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最初のきっかけは、両親の葬儀が終わった翌日。
『もう………………耐えられない……………』
隼斗はそう言って、いきなり俺にキスをした。
耐えられない?
ふざけるな…………………俺の方が、耐えられない!!
「………………っんぁ…………止めっ……は………はっん」
廊下の明かりだけが頼りの、薄暗いリビング。
辺りは静まり返った寂しい一軒家で、悠斗の荒い息遣いが、やたらと耳に心地好い。
「悠斗………………いっぱいキスしよ……………」
自分を罵声する声も、自分を拒む声も、隼斗にとっては全て大好きな悠斗の声。
「…………………っと……………隼斗っ!!」
嫌われてもいい。
嫌われたら、悠斗の心は、自分への憎しみで埋まるから。
「…………………可愛い………………怒った、悠斗」
隼斗は自分を睨み付ける悠斗を見下ろし、濡れた唇から繋がる糸を、愛しそうに舐めりとる。
ずっと、好きだった。
好きで好きで、たまらなかった。
両親が亡くなって、先を見る悲しみよりも、悠斗と二人きりになれた喜びに胸が踊った。
「今夜も、二人きりだな…………………悠斗」
誰にも、渡さない。
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