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ライバル
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「んー?………………何か、マジ熱い?」
悠斗の頬に手を添え、涼はくっついたおでこに神経を集中させる。
熱い?
いや、熱いよ!
だって、いきなり涼の顔が間近に迫ってる。
恥ずかしくて、身体が火照ってるんだよ!
心の中でそう叫び、悠斗は目のやり場に困惑する。
視線を上げれば、すぐそこに、イケメン涼の綺麗な瞳や形の良い唇がある。
どこを見ようと、逃げられない距離。
しかも、何だかシャンプーのいい香りが、やたらと周りを包む。
嫌でも、胸がドキドキさせられてる。
「りょ……………涼………………鼻…………当たってる」
悠斗は、なかなか離れてくれない涼に、なんとか声を振り絞る。
「え?あ………!わ…………悪い…………っ」
悠斗の声にハッとして、涼は我に返った。
確かに、鼻と鼻が、ぶつかっていた。
悠斗の体調が心配で、涼は全く気付いていなかったのだ。
「ち…………………近かったな……………」
悠斗から身体を離し、涼も照れ臭そうに目を逸らす。
顔を赤くした涼は、ちょっと可愛い。
「ぷ………………涼、ホント何かに集中したら、周りが見えなくなるな………………呆れるわ」
「うっ………………うっせ………………俺はただ、お前が風邪でも引いたのかと思って………………」
お人好しな、涼。
つい憎まれ口を叩いてしまうが、こんな涼にいつも癒される。
家での苦痛を思うと、涼はなんて綺麗なんだろうと思ってしまう。
悠斗は、照れる涼を見つめ、さっきまでの苦痛な自分を思い出していた。
「なーに?………………お前ら、デキてんの?」
………………………っ!?
仲の良い二人を蔑む、悪魔の囁き。
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