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理由
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昔は、仲が良かった。
普通に一緒に寝たり、お風呂に入ったり。
でもそれは、俺には苦痛な日々。
「ずっと、お前を抱きたくて、たまらなかった」
それは、今の悠斗に言っているのか、過去の悠斗に言っているのか、それさえもわからない。
「く………………狂ってる………………」
唇を震わせ、見上げてくる悠斗の姿に、欲情する。
「ぷ…………………いいな、それ」
憎まれても、悠斗の目に、自分が映る。
それだけで、満たされてしまう。
今、悠斗は自分だけを見ていると、確信出来るから。
バシャ……………………
ぐっしょり濡れた服が、身体の動きを鈍くする。
隼斗は自分の着ていたシャツを脱ぎ捨て、悠斗の身体を抱き寄せた。
「嫌…………だ………………っ!離せ………っ」
自分の身体を、強引に抱きしめようとする隼斗の胸に手を突き、悠斗は必死に抵抗した。
こんな関係を、これ以上続けるなんて御免だ。
初めて知った涼との時間が、悠斗の心に変化をもたらす。
おかしいんだよ、隼斗は………………!!
「離さない…………………お前は、離さない」
「隼斗…………………っ!」
それでも隼斗の腕は、悠斗を自由にはしてくれない。
これでもかと身体を貪り、叫ぶ悠斗の口を塞いでくる。
「……………っんで……………お前なんか、大嫌い……だっ………………大嫌いなんだ!」
気が付けば、悠斗の瞳からは、涙が溢れていた。
昔は、大好きだったのに。
何でも出来る自慢の兄が、瞬く間に崩れていく様は、両親も失った悠斗の心に、深くえぐるような傷を残す。
「もう…………………死んでくれよっ!!」
力の限り隼斗を押し退け、悠斗は泣きながら声を張り上げた。
ガシャーン……………………!
周りに転がる、シャンプーやソープのボトル。
悠斗に押された隼斗の手が、ぶつかったのだ。
「悠……………………っ」
隼斗は驚いて、悠斗を見つめた。
シャワーから流れるお湯か、涙かもわからないグショグショの顔を逸らす、悠斗。
死んでくれ。
ホントは、そんな事言いたくもないのに………………。
「………………斗の……………馬鹿野郎………」
わからない。
大好きだった筈の兄が、わからなくて、辛い。
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