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兄貴と、キス
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吐き気がする。
「いい加減にしろっ!!」
ドンッ……………………!
隼斗は慶太を振り払い、声を上げた。
多分、マジギレ。
「悠斗がいるんだよっ!そう言う事も考えられない奴は、俺はゴメンだ!!」
珍しい、隼斗のデカい声。
地下駐車場が、隼斗の声で埋まる。
「……………………隼斗………………」
悠斗はキスよりも、そっちにまた驚いた。
毎日のようにやり合っているが、ここまで怒鳴られた事はない。
慶太、やらかしたな…………………。
慶太をよく知らないが、『さん』付けで呼ぶ気にはならない悠斗、心の中で既に呼び捨て。
「隼斗っ…………それでも、俺は諦められないんだよ」
未練タラタラ。
何が悲しくて、自分の兄貴とゲ○の恋の攻防を、見なきゃならないのか。
悠斗は露骨に嫌な顔をして、隼斗へ目を向ける。
綺麗な隼斗の唇が、余計に視界へ飛び込む。
今日、ずっとその唇は自分へ重ねられていた。
隼斗から求められて、嫌々していたキスも、目の前で違う奴としてるのを見たら、一段と目につく。
隼斗は、自分の知らない所で、ああやってキスを重ねるんだ……………………。
自分は、涼とキスするまでは、隼斗しか知らなかったのに。
…………………………のに。
「のに、なんだよ………………馬鹿馬鹿しい」
隼斗なんか、どうでもいい。
でもどこか、モヤモヤする。
悠斗はウンザリして、肩からかけていたバッグを車の助手席へ投げた。
「もうっ、勝手にやってくれよ。俺、車で待ってる」
「悠斗…………………っ」
隼斗の呼ぶ声も、耳を塞ぎたくなる気分。
「ちょっ………………隼斗っ!」
そして、隼斗を追う慶太の叫び声。
ブチッ………………………
「隼斗隼斗うっせんだよっ!このチ○ポコ野郎っ!隼斗は、今日俺と用があるっつってんだろ!?……………んな事もわきまえねーで、ズカズカ来るから隼斗に好かれねぇんだ!!てめぇなんか、隼斗と付き合えるかっ!ぶん殴られたくなかったら、さっさと帰れ…………………っ!」
慶太の鬱陶しさに、たまらず悠斗はその胸ぐらを掴んで言い上げた。
「ゆ…………………悠斗………………?」
…………………………あ。
隼斗の声で我に返る。
ヤベ…………………俺、やらかした。
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