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俺の兄貴
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馬鹿だ、俺。
失って、初めて知った事ばかりだよ。
ザァァァァ…………………………
「…………………悠斗…………………」
びしょ濡れの俺に傘を差し出し、隼斗は笑って名前を呼んでくれた。
夢……………………じゃないよね?
どうしよう、涙が止まらない。
俺って、こんなにブラコンだったっけ?
「隼斗……………………」
降りしきる雨の中、2年振りの再会は、隼斗が差し出す傘の下。
悠斗は、溢れる涙を拭うのも忘れて、ただただ隼斗を見つめてた。
「涙…………………出し過ぎ。俺の手だけじゃ、受け止めきれないよ………………」
悠斗の頬を伝う涙を拭うように、隼斗はそこへ手を伸ばす。
2年振りに感じる、隼斗の感触。
温かい。
物凄く温かくて、悠斗は思わず隼斗の手に、自分の手を重ねた。
「……………………気持ちい……………………隼斗の手」
「悠斗の頬も、気持ちいい…………………」
ボロボロな俺と違って、2年振りの隼斗は、慶太が言う通り一段と格好良くなっていた。
やっと追い付いたと思ってた身長は、また少し先をいく。
相変わらずのサラサラヘアを横に流し、綺麗な瞳と綺麗な形の唇。
麻生地のブルーの七分シャツに、白いデニムを折り返し、憎たらしい位に爽やかなイケメン。
格好いい……………………。
潤んだ目が、隼斗の格好良さで、覆われる。
「お帰り…………………お帰り、隼斗…………………」
震える唇が、隼斗の帰りを喜んでる。
2年前までは、『お帰り』なんて言った事もなかったのに………………………。
どうしてかな。
今は、心の底から、そう言える。
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