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我が儘
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ドクンドクン…………………
おかしいくらいに鳴り響く、胸の音。
隼斗、身体が熱いよ。
「………………………悠斗、何処か打った?」
呆然と立ち竦む悠斗を心配し、隼斗は顔を近付ける。
久々に間近で見る、隼斗のエロい唇。
隼斗、最近誰かとキスした?
そんな事が、頭を過ってる。
俺………………何考えてんだ。
悠斗は俯いて、軽く隼斗の服を握りしめた。
「悠斗………………………」
言葉の出ない悠斗に、隼斗の心は揺さぶられる。
出来るものなら、このまま抱きしめたい。
邪な自分が、そう欲を出す。
「………………………ご飯、食べようか?」
それでも、隼斗は悠斗の身体から手を離し、食卓へ戻ろうとする。
トン…………………………
「……………………え…………………」
隼斗の背中へ当たる、軽い衝撃。
「悠……………………………」
振り返ると、僅かに見える悠斗の髪の毛。
身体に伝わる、温もり。
悠斗の身体が、隼斗の背中を包み込む。
「………………………離れないで、隼斗」
隼斗のお腹へ腕を回し、悠斗はその寂しさを口にする。
自分でも、呆れる。
2年振りに会う隼斗は、とても紳士に自分を見てくれてるのに。
俺は、隼斗が欲しいって、思ってる。
「…………………悠斗………………」
隼斗の戸惑う声が、キッチンに漂うスパイスの香りのように、辺りに広がる。
わかってる。
隼斗を、困らせてる事くらい。
でも、止められなかった。
「お願い………………………側にいて」
悠斗は隼斗の背中へ顔を埋め、精一杯の我が儘を振り絞る。
側にいて。
側に。
「………………………やっと」
やっと、会えたんだから…………………。
「……………………悠斗…………………」
隼斗は唇を噛み締め、悠斗の腕に指先を添えていく。
重なる手が、より熱を帯びる。
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