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初対面(はつたいめん)
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ーーガラッ。
図書館のドアを開け、中に入る。
まだ、4時なのに人一人いない。
普通は図書委員がいて、本を借りる時は図書委員を通して借りることができた。
しかし、今日はいなかった。
図書委員はいないけど、勝手に借りることにした。
お目当ての本を手に取り、カウンターに向かう。
来た道と違う窓側の通路を通る。
窓側には机がある。
そこには誰かが寝ていた。
誰だろう…… 。
寝ているのが誰だか気になって覗き見る。
よく見てみると噂の雄哉くんだった。
びっくりした。
普段雄哉くんの周りにはとりまきがいっぱいいてまじかで見たことがなかった。
こんな機会滅多にないので頭からつま先までじっくりと見た。
噂通りすごくかっこいい。
周りがほっとかないのも頷けた。
これで誰にでも愛想良いのだから申し分ない。
でも、やっぱり引っかかるのは誰とでもヤることだ。
来る者拒まずで節操無しの下半身ゆるゆる野郎だ。
そこが気に食わない。
僕は総受けは好きじゃない。
主人公の受けが色んなモテ男に抱かれる話とかだ。
1人の男を頑なに想い続けるとか、両思いなのにお互い気持ちを伝えられなくてモヤモヤするとか、そういうやりとりがすごく好き。
そんなことを考えながらぼーっと雄哉くんを見ていた。
そしたら気配に気づいたのか雄哉くんが目を覚ました。
「ぅ、ぅーん……」
目をこすりながら後ろを振り返り僕を見た。
僕を見た瞬間大きな目がさらに大きくなった。
雄哉くんはすごく驚いていた。
どうしたんだろう……。
顔になんかついてたかな。
「え、中島健登……。なんでここに?…………」
「え?!!僕のこと知ってるの?!」
僕のことを知っていてびっくりした。
「あ、いやそのーーー……」
何かを迷っているようだったが、急に真剣な顔になる。
少し沈黙が続いた。
しかし、次の瞬間僕の平和な日常が崩されることになった。
「俺と付き合ってくれ。」
「え、」
一瞬何を言われたのか理解できなかった。
「もちもん恋人としてだ。」
「ええええーーーーーーーー!!?!」
僕は衝撃を隠すことができなかった。
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