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はじまり
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あぁ、やってしまった。
瞬時に思った。
時すでに遅し、とはまさにこのことだろう。
大人しくしているべきだったかもしれない。無闇に歩くべきではなかった。
落とした。発情を抑える薬。
気分転換がてらに、と思って歩き回ったのが仇になったのだろう。
普段持ち歩いている薬のケースが見当たらないのが、三守をアホだと罵っている証拠だ。
唯一の救いがあるとするならば、発情期はついこの間に終わった、というところにある。
とはいえ、いつ「運命の番」とやらが現れるかわからない。
生きてきて30と何年、その「運命の番」とやらには会ったこと無いが。
三守には既にβの妻子がいる。
Ωだろうが、普通の家庭を持つことはできるのだ。
先人たちが開発してくれた薬で、三守たちΩはβたちと何ら変わりない生活を送れるようになっていた。
だが、逆に言えばそれは「薬がなければ大変なことになる」ということだ。
だからΩたちも薬に頼りっきりになるわけにもいかず、彼らなりの生活方法が出来上がりつつあった。
薬のおかげで、当然、Ωは仕事ができるようになった。
出来るとはいえ、職種も限られてくるが。
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