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はじまり4
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三守は、二都が自分の話を聞いていないような、どうでもよさそうな話し方に、少し苛立ちを覚えた。
二都は人事担当である。
それに二都という男は、カンが鋭く、いつも人の一歩先を行く行動をとる。
それに人事であり、将来有望であるということもあり、二都に媚を売りに行く者も少なくはない。
しかし、二都は相手にしない。そういう男だ。三守はそういうところが気に食わなかった。
相も変わらず、なんの反応も示さない二都を横目に見て、三守はそろそろ帰ろうかな、と考えながら腕時計をのぞき込んだ。
午後9時12分。
そんなに二渡と話していたのだろうか、体感ではもっと短く感じた。
「じゃあな」
軽く手を振り帰ろうと踵を返した。
パシッと乾いた音が聞こえた。
腕をつかまれている。
二都だ。
「なんだ。」
「聞きたいことがある」
「お前の方が知っていることは多いだろう」
三守の言ったことに二都は反応せず、三守の目を見つめる。瞳から感情を読みとることは出来ない。
深い深い黒。
「三守、Ωは出世できないぞ」
頭に血が上った。
一瞬眩暈がした気がした。
だからなんだというのだ。
そんなこと百も承知だ。
改めてΩとαの差を見せつけようとでもしているのか。
はたまた喧嘩でも売っているのか。
二都の行動が読めない。
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