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「お前ッ!!いい加減にしろッ!!」
「なんで?俺は何もしてないぜ」
先ほどの指摘からずっとにやけている。
自然とその会話に集中するかたちになって、性器を握っていた二都の手が緩まった。
それでも、快感よりも、この時ばかりは憤怒の方が強かった。
「俺が、Ωだから!!馬鹿にしてるのか!!!」
「馬鹿?馬鹿になんてしてない。それに言っただろ、三守のことが好きだって」
「黙れ!!どうせ、お前もΩなんて、αに媚売って子供産んでりゃいいとか思ってるんだろう!!!」
「おい、落ち着け三守」
「離れろ!!!!」
縛られたままの手首を必死で捻り、なんとか拘束をとこうとした。
今は二都を見るだけで腹立たしい。
そうだよな、お前はαだもんな。
俺とは違う。
同期で、気に食わない奴とはいえ、多少は信頼していた。
多少は対等に見てくれると思っていた。
やはりそうはうまくいかないのが、種族間にある根強い格差だった。
いつだってΩは一番下だ。
「二都、もういいだろ…」
うつむき加減に、小さく声を漏らした。
三守は自分の声にひどく狼狽した。
大きな声を出したつもりだったのだが。
快感の名残で、性器が勃ち上がっていることが三守の心をひどく痛めつけた。
「三守」
ふと、二都の声が静かに響いた。
今更何を言うのか。
どうせこんな回りくどいことしなくたって、αはαで『番』を作ることなんて容易だろう。
「誰が。誰がそんな事言った?」
想像していた言葉とは全く違った。
「はは…お前、羨ましいな…」
「…どういうことだ?」
「俺は、何かある度、言われてたんだぜ。今更何言ったって無駄だ。」
二都を、心底羨ましく思うと同時に、酷く憎たらしかった。
何が。何がいけなかった。
なぜ俺はΩなのか。
何回問うても答えはなかった。
ならば、自分で見つけるしかない。
自分に都合の良いように、考えるしかない。
「…なら、なおさら、お前は俺の『番』になるべきだ」
二都がそう呟いたと同時に、止まっていた性器への刺激が始まった。
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