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エスコート2
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ナチュラルに三守の腰に移動した二都の手が優しく支える。
ホテルの受付を飛ばし、エレベーターへと乗り込む。
入口にちらりと見えた、『Omega's Free』の文字。
これはΩ種が無料で利用できるというものではなく、Ω種『も』利用できるという意味だ。
差別されている、そう感じさせる表示の一つ。
大抵のホテルにはこの文字の書いてあるシールがはられている。
α種のよく利用するようなホテルではこのような表示が必要となるのだ。
Ω種がチェックインする場合、このような一流ホテルでは必ずα種の同行が暗黙の了解となっている。
つまり番でないと利用できない、という意味でもあるのだ。
そんなところにα種の二都はΩ種の三守を連れ込んだ。
これで周りからすれば、2人は番も同然となる。
簡単に連れ込まれるほどの抵抗力のなさ、α種への本能的服従、Ω種の番を求める性。
すべてが三守には憎らしく思えた。
部屋の前でカードキーをかざし、ドアを片手で軽々と開ける。
眼前にはさすが一流ホテル、といった光景が並ぶ。
入ってすぐ目に入るクイーンサイズのベッドに下ろされる。
二都はすぐにその場を離れ、スーツのジャケットを脱ぎ、ハンガーにかけた。
「…何をそんなにみている」
「…いや、お前だけスーツにシワつかないようにしてるのがずるい、ってな」
「ハッ…しょうがねえな」
時間稼ぎというかなんというか。
なんでこんなことを言ったのか三守にはわからなかった。
おそらく落ち着く時間が欲しかったんだろうと納得させることにした。
自分では立てないほど熱が回っていた。
来る途中のシャツの布擦れで小さく声を漏らした程度には、だ。
軽く笑い、片手で頭をかきながら二都は三守に近づく。
丁寧な手つきで二都は三守からジャケットを脱がせ、そのままクローゼットまで持っていった。
「何もしやしない。そう警戒するなよ」
「安心なんてできるもんか」
「なぜ?」
「なんでって、お前」
三守の背中で、スプリングが軋む音がした。
二都が三守を押し倒したからだ。
三守の両手首をつかんで頭の上に持っていく二都。
「簡単につれ込まれてんじゃねえよ」
驚く三守の目を捉えて、二都は小さくつぶやいた。
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