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職員室の朝。
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「ぁーッ…クソッ、朝からうるせぇんだよ、乙女どもが。……あ゛?男か?」
ガシガシと頭を掻いて、苛立ちを露わにする。
騒がしい廊下を超えて、やっと職員室へとやってきた。
「校則は守れっての。俺の仕事増やすなクソが…」
来る途中で、チャラチャラとした金属アクセサリーを付けていた集団を見かけたので、自分も教師だ。もれなく没収した。
返せだとか、うぜぇだとか、猛犬みたいに反抗してきたが…そんなものは関係ない。
その先にはキャーキャーと、カッコいい先輩達に群がる男達。
…朝から本気で憂鬱だ。
そんな苦渋の廊下を乗り越えて到着した職員室は
冷房が効いていて、外の声をシャットダウンし、今の自分には唯一の癒しの場だった。
自分の名簿が書かれた机に、大きな荷物を雑に置いた。
荒木 蛍 (あらき ほたる) 。
冷房の風がよく当たる、個人的に特等席だった。
「おはよー、荒木先生。今日は一段と騒がしいねぇ…あぁー…僕らの仕事増えるなぁ…」
「あぁ、旭川先生。…そうですね、きっと今日の俺、いつにも増して不機嫌だと思うんで…
何かしでかしたらすみません…」
「大丈夫、先生の八つ当たりは今に始まったことじゃないよ。」
「……。すみません。」
爽やかな笑顔を向けて先輩教師が声をかけてくれた。
旭川 糸 (あさひがわ いと) 。
化学担当の俺とは離れた、国語科の教師だ。
…爽やかな笑顔が今日も眩しい。
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