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天使のいる集会。
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週初めの集会。全校生徒が大広間に集まっていた。
俺は俺で、ダルそうにする生徒を睨んだり、私語を止めないガキを注意したり。
それはそれで忙しいのだ。
「やぁ、おはよう諸君。」
舞台上の校長が言った。その声はエコーに包まれていて、数回のループを始める。
「今日は我が学園の"人気投票の結果"が表される日だな。皆も結果が気になっているだろう。
…この集会が終わった頃には、掲示板に結果が貼られてある。
ここでは上位3名だけ、紹介しよう。」
校長の話を聞きながらにも
馬鹿馬鹿しい、と。
イライラしては、早く終わってくれないか、なんて願っていた。
上位3名の名前が挙げられて、呼ばれた3名は舞台へ立たされる。
名前が上がった途端にワッと声が上がり、彼らが舞台へ上がるとキャーキャーと甲高い歓声が上がる。
アイドルのコンサートかよ、ここは。
「ーー静かに」
校長からマイクを受け取り、1人が話し始めた。
「…沢山の投票をありがとう、3人を代表して俺が話すから、よく聞いて。」
途端に、いくら俺が注意をしても煩かった連中がシンッと静まり返った。
貴様ら…。
「柊様ーッ!!!!」
「1位おめでとうございます!!!!」
「こっち向いてーーッ!!」
いや、今度はまた別の場所が煩くなっている。
イラっと表情を変えて、そいつらに注意しようとした時。
「…ねぇ、五月蝿いよ。俺の話が聞けないの?」
柊の一言でその場が凍りついた様に停止した。
何処か嬉しそうにそいつらは黙り、熱っぽく柊を見ている。
柊 零(ひいらぎ れい)。
学園一のイケメンさんだ。ファンクラブが存在するほどの人気を得ている。
…といっても、中身は自分しか見えてないガチの天然野郎。
皆大好きみたいだけど、俺は嫌いだ。
キューピッドみたいな、天使オーラがここまで伝わってくる。
学園がどうのこうの、投票がどうのこうの…
取り敢えず俺は、柊のスピーチを適当に流すことにした。
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