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18歳以上ですか?
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荒木 蛍。3位以上目指します!
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「もぉ、ボクの為なのは嬉しいけど声おおきすぎ♡静かにして、ね?♡」
「ハイっ!!」
余りに野次馬が煩かったので
あざとく くるくるが言えば
その場は水をかけられた様に熱が冷めた。
なにが “ね?♡”だよ、わざとらしい。
チッと舌打ちをこぼす。
俺は少しイライラしていた。
早く帰りたいし、うるせぇし…
それに俺は忘れてない。
授業に遅れたのも、天野と2人きりで閉じ込められたのも、あろうことか生徒の性行為を直で見ることにもなったのも。
元はと言えばコイツのせいだ。
「あ、そういやお掃除ありがとね〜またよろしく♡」
「断固拒否る。」
きゃっ、と可愛らしい声を立てて、くるくるはこちらをからかってくる。
あと野次馬がうるせぇ。超うるせぇ。
掃除?また空き教室の?
いやいやいや、嫌に決まってんじゃん。お前のその命令のせいで俺は散々な目にあってるのにまたあってこいとな?
ふざけんな、死んでも嫌だ。
それでもくるくるはにぃ、と微笑んだと思いきやまたこの言葉だ。
「上位命令♡」
俺の中で何かが切れた。
バンッと壁をグーで叩くと、先ほどまで騒がしかった野次馬が突然の音にシュンっと静かになった。みんなの視線が俺に集まる。
「ふざけんな、何が上位命令だよ!
俺は俺だ!!!見とけよ!!すぐにお前より上にいってやるからな!!!」
「3位以上?」
「え?」
ついカッとなって言ってしまったが、その後に聞こえた
くるくるの問いかけに俺は言葉の無茶さに気がついた。あ、コイツ学園ナンバー3位だった。
くるくる以上……3位以上…?
……無理だろ!?!?
俺の言葉を聞き逃さなかった野次馬達は声を上げて。俺の言葉をくり返して言った。
どうやら俺は、3位以上を期待されている様で…
そんなの、猫に犬になれと言っている様なもんだ。
俺はもう、とにかくヤケになって「3位以上になってやるよ!!!」…そう言い張っていた。
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