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殺意混じりのキス。
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押さえつけられた手首をそのままグッグッと押されて反射的に身体もソファにぶつかってしまう。
逃れようとしても俺よりも強い力に押し付けられてビクともしない。
目でやめろと訴えても、離す気配が見られない。
痛みにぎゅっと目を閉じた。
「…ふざけんなよ、お前マジわけわかんねぇよ」
「案外驚かないんだね。こういうの慣れてる?」
「んなわけねぇだろ」
特別反応が乏しいだけだ。
何をしたいのかわからなくて冷や汗が流れ出す。
ふと、柊の手は俺のマスクにかかり、それはやめろと言う暇も与えず呆気なく剥がした。
真新しい空気が冷たい。
「ッ…!!お前ッ…」
「ほぉら、先生やっぱ綺麗だ。こんな布切れで隠すなんて理解できないなぁ」
「馬鹿!誰かに見られたらどうすんだよ!」
「俺が見てるけど」
にっこりとした笑顔で言われてゾッとした。
俺が口元を隠している理由なんて悪い理由があるからに決まっていて、口元を手で覆おうにも手が拘束されている。
「でも、ダメだなぁ先生」
クッと顎に指を添えられて上げさせられた。
覗かせた赤い舌は金属の光が反射して、やばい。非常にやばい。
「お口にピアスなんて危ないよ?」
また、に、と柔らかく微笑んで睨む俺とは大対照的。
口…いや正確には舌だけど、青ざめた表情で見れば柊との距離はゼロになる。
ーーやばい。
片方の手で手首を掴まれ、もう一方の手で頰を持たれる。
あっと思った時にはキスをされていた。
驚愕。大きく目を見開いては距離が近い。近い。近い。
それでも綺麗な柊は目を閉じている。
されるがまま、理解が追いつかずにぐるぐると脳裏を巡らせていればだ。
ーー柊は舌を入れてきた。
「……っ!?、ん……っ」
舌を、ピアスをなぞられて、ぬるぬるとした感触に背筋に氷水を入れられたみたいにゾクゾクとした。
精一杯胸を押してもビクともしなくて、息が苦しい。
時折離れたときに必死に空気を取り込んで、やめてくれ、ドンドンと胸板を叩いてそうお願いしても離れてはくれない。
やばいやばいやばい、どうしてこなったんだ。
ぐちゃぐちゃにかき混ぜられる度に肩を震わせて、殺意が沸くほどの色々な気持ちが飛び交った。
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