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「ふふ、やっぱ先生コレ勿体無いよ。せっかくの美人さんなのに…ね?」
「……こんな男どもしかいねぇ場所で容姿にこだわっても仕方ねぇだろ…返せ」
「じゃあマスクか眼鏡どっちか外して。…あ、そのボサボサの髪を整えるのでもいいよ」
「全部却下だ」
ようやく呼吸が整ったと思いきやだ。
コイツは何がしたいのか。俺になんの恨みがあんのか。
とてつもない嫌がらせの連発に朝だというのにドッと疲れた。出来るのならば今すぐ帰りたい。
「上位命令だよ?破ったら新聞部にいっちゃおっかな…?」
「お前本当に性格悪いよな」
「悪くないよ、それに性格の悪さなら流太がピカイチだ」
「それさりげなく悪口。……返せ、マスクは駄目なんだ、わかるだろ」
柊は頷いた後に「それなら?」とでも言いたげに期待の目線を向けてきた。人質のつもりかマスクは帰ってこない。
諦めて眼鏡を柊へ渡す事に、クリアになる視界がやけに綺麗で明るい。
それもそうか、度は元々ない眼鏡だったし。ガラス一枚分の曇りが無くなるんだ。
苛立ちから雑く渡せば柊はマスクを返してくれた。
「あ、先生コレもどうぞ」
正直コレで帰ってこなかったら俺はコイツを殴るつもりだったけど、…まぁ素直でよかった。
それと、ついてきたのは銀色のシンプルなヘアピン。
「……つけねぇぞ。」
「大丈夫。俺が付けてあげるから」
「そういう問題じゃねぇんだよ」
「うるさいなぁ、コレも命令ね。嫌だったらとっとと俺以上に人気者になりなよ」
じとっ、と。目を細める仕草も額縁に収めれそうで、それがまたひどく俺をイライラさせた。
「とっとと付けろ」
柊は器用に前髪を掬い上げて整える。
その間にも時間は過ぎていって、そろそろ一時間目が始まるのではないか。俺もこいつも遅刻となれば大変だ。
何が大変って、旭川先生に怒られる。
「はい、できた!!先生格好良い!」
「終わりか?じゃあもういいだろ。…お前も授業遅れるなよ」
「え?あっ、先生ーー」
これ以上絡まれるのが嫌で、俺は急いで音楽室を出た。
後ろから柊の声がするのを逃げるように職員室へと急ぐ。
途中。大きな姿見の鏡前を通った時に思わず二度見した。
綺麗に髪を整えてあるのもそうだが。
マスク付けるのを忘れてた。
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