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読めない相手。
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「………。」
本当に何もする気は無いのか柊はただコチラをニコニコと見つめている。
かえってそれが何の目的なのか読めずに不安を煽っていた。
俺に勧めたソファの前の、やけに高価そうな机をまたいである椅子に座って。
無駄に華がありすぎるせいかその姿までも雑誌のワンページの様だ
…いい加減見飽きたけど。
「…いつまでこうしているつもりなんだ?お前俺が暇人だって勘違いしているだろ」
「まさか。俺はただ先生と結意義な時間を過ごしたいだけだよ。だからね、決して無駄じゃないから大丈夫」
「大丈夫じゃねぇよ」
問題多アリだ。
確かにこの後は授業も無いし、見回りもする気が無いし、生徒の為に時間を裂こうだなんで思ってもいないし……コイツの為に時間をやる気もない。
暇ではあるんだが、その暇こそが俺にとっての結意義な時間だ。
「先生本当に何もしないから座りなよ、折角入れたココアが冷めちゃうよ?」
「うるせぇ。…それにココアってな」
「嫌いだった?」
「いや…」
ちょっとイメージ外だっただけで嫌いではないけど…、そう言ったところでコイツの事だし「ギャップ萌えでしょ」とか言い出しそうだ。
前を向けば逸らすことなく俺を見つめる
柊と目があってしまう。
なんかそれも嫌気が指したのでただ俯いていた。
ーカタン………と。
不意に立ち上がる音が聞こえる。
「先生…」
近くなる声に顔を上げれば細い指が俺の頬を撫で、口元をなぞった。
「…っ」
その手を軽く払い除けて1歩引いた。
「なにもしねぇんじゃ無かったのかよ」
「やだなぁ、先生が口元に食べ跡つけてたから取ってあげただけだよ…?」
「言えよ!」
バッと口元を覆ってまた1歩引く。
柊は、そんな俺を見て楽しそうにクスクスと笑い声をこぼしていた。
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