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『一節/7』
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「牙刃、これからどこ行くの?」
「町の中」
「えっどうして?」
「人を隠すなら人の中」
「意味解んない」
「とりあえず、宿屋は入ってゆっくりしたいんだよ、俺は一応学校帰りで疲れてるんだよ!」
「ご、ごめんなさい…」
まぁなんだかんだで宿屋を見つけ部屋をチェックインし、今後の事を話し合うことになった訳で。
「お前はどこに行きたいんだ?」
「故郷に帰りたい、けど帰れない」
「なんでだ?」
ムツルはそのまま黙り込んでしまった。
故郷に帰りたいのに帰れないとは一体どういう意味なのか、故郷が遠いのかもうすでに無いのか、俺には解らない、まだ家に帰りたいと思わないから。
「ボク…ボクの故郷の人達はボクを嫌っているの、ボクが…白鬼だから…。元々は赤鬼だったのに変異でボクを」
「元々は赤鬼だった?でも根まで白だろ」
「赤だったの!」
「…あっそう、とりあえず故郷以外で別の場所はないのか?」
「ボク、故郷以外の場所あまり知らない」
「あぁそう」
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