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第一章『二節』
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俺とムツルはその日の夜、話し合うことにした。
お互いの事など趣味までも。
「牙刃って人間なんだよね?」
「あぁ…多分」
「多分?え、でもボクと会った時に人間だって言ってたじゃない」
「ムツルは人間と鬼を見極められないのか?」
「ボク、解らない」
そりゃそうなのか、と思った。
相手は鬼で、しかも小鬼、人間のことなどきっと見た事もないのだろう。
そもそも鬼は人間の世界に行けるのだろうか、いや多分きっと行けないだろう。
「牙刃の普段って何してるのが多い?」
ムツルの問いが聞こえたと思い、ハッと我に戻る。
「なんだって?」
「だから、牙刃の普段は何してるのが多い?」
「何してるのが…息?」
「そういう事じゃなくて!」
「そういうムツルは何してる事が多い?」
「ボク?ボクはね畑の仕事」
「は?」
「故郷にはね、ボクの畑があってね、そこに色々とね…」
その話をしたムツルの表情は今にも涙を流しそうで、鬼でも泣くのか、血も涙もあるんだなって思った。
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