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『追憶/4』
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「俺のせいじゃないならなんだよ」
「仔犬を助けたんです、引かれそうだったので」
「…そっか……俺は関係ないんだな」
「はい…すみません、わざわざ」
「いや…俺…お前に会いたかったし」
「え?」
「5日も会ってなかったんだよな…そうか…だから蜂須もいなかったのか納得」
「……僕、今は別に好きな人がいますから」
「は?」
「僕から騒いだのに、こんなこと言ってアレですけど…ごめんなさい」
「…いや、俺もミツルは弟の存在だから」
「あは。では、これからはあまり会わない方がいいですね」
「そうだな…じゃあ帰るから」
「あ、はい。さよなら」
強がるなよ。俺もお前も本当は弱いくせに。
本当は未練たらたらのくせに…。
だけど、これで良かったんだ…
もう二度と会う事さえしなければ互いに、いい人に出会える。
そう心から信じて生きていこう。
──そして俺は、この日の帰宅後に不思議なこと、ものを体験することをまったく予想だにしていなくて…。
「どこだ、ここ?」
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