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『四節/2』
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アロク王子が消えた…じゃなくて居なくなった。
もちろん、居なくなったからその宿屋から出ることは出来なくなったワケで。
それでも俺たちは、アロク王子を心配したりはしない。
「にしても、暇だな…」
「部屋にも出ちゃダメなの?」
「当たり前だろ、自分の置かれている状況解ってるのか?」
「解ってるよぅ…」
「……」
「…牙刃」
「ん?」
「…ボク牙刃が好きだよ?」
「は?そりゃ解ってるし、聞いた事ある」
「ボク、それだけは絶対に変わらないから!」
「あ?あぁ…うん、解った」
「じゃあトイレ行くね」
「は?」
「トイレだから!」
「?ムツル、何言って」
すでにムツルの姿は部屋のどこにもなかった。
俺からムツルを取ったら何が残ると言うんだ。
頼む、頼むから居なくならないでムツル。
俺がお前を守ってみせるから。
何にも近づかせないから。
だからどうかムツル、俺の傍に。
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