アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第二章『五節』
-
名前を持つことは王族と四天だけの特権だというサシト。
──ならば一般人は名前を持っていない。
呼ぶのに困るだろう。
じゃなくて、王族でも四天でもない白鬼のムツルは一体何者なんだ。
「ところで『双黒勇者』よ」
「双黒勇者って呼ぶな。てか誰が呼んだんだ?」
「王子がそう呼べと言っておってな」
「アロクかよ」
「ではなんと呼ぶかの?」
「…なんでもいい、どうせ敵だしな」
「そうじゃな。どうせ双黒勇者には死んでもらうんじゃからな」
「なっ!?」
「牙刃、危なぁい!」
とかムツルの寝言が聞こえ、俺は自分よりムツルを庇った。
ガキンっと音が聞こえ、俺はやられてしまったのかと思ったが何も衝撃はなかった。
だから俺は振り向いた。
そこに居たのはアロク王子の背中姿があった。
「アロク…俺を守…?」
「俺たちは仲間だろ?」
「…何言って」
「ぐぅ……」
「死ぬか?サシト」
.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
41 / 73