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『五節/2』
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四天の一人、サシトは手負いで帰って行った。
アロクはさすが王族の鬼なだけあって強い。
「何故助けた?お前からしてみれば俺は邪魔な存在だろ」
「誰がそんな事を言った?」
「お前は王子だ、ムツルを捕らえたいんだろ?なら俺は邪魔だろ」
「…王子、王子ってしつけぇなお前。王子だったらムツルを捕らえなきゃならないのか?」
「王様の命令だろ?」
「…」
「王子じゃなくとも白鬼を捕らえに来るんだ。なのにお前は俺たちの側にいる、変だろ」
「……は、ハッだったらなんだってンだ?テメェから白鬼を奪うには仲間として安心させるのが早いだろ?」
「んなっ」
「そうさ、これは全て茶番だ!」
「あ……あ?」
「ダウトだ、双黒勇者」
嘘。
嘘だろ、こんな所で終わりなのかよ。
ゲームは終わるのか。
勇者は負けるのか。
勇者なのに負けるのか。
何でだよ、アロク。
少しはお前を見直したと思ったのに結局、その一枚もダウトだったのか。
───ムツル、ごめんな、俺はお前を守れなかった。
本当にゴメンな───…。
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