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『五節/10』
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何もなく、静かな廊下を俺とアロク王子は進む。
ムツルが行く先を目指して真っ直ぐに進んで行く。
進む先に血痕があるので、それを頼りに進んで行ってるだけだ。
「……もう」
「歩けないとか言うなよ?」
「俺、一応重体患者だぞ?動いてるのがまさに奇蹟だぞ」
「テメェが死ぬか!つか、俺が手を抜いてんだ、生きてるだろ!」
「そりゃ生きてなきゃこの物語も終わっとるし」
「…たまにお前は変なことを言うが、その変なのが出れば安心だな」
「なんだそれ、俺は変人かよ…」
「……」
「?アロク王子どうした?」
「血痕があの扉の前でなくなってる」
「…ムツル」
「待て、少しは考えろ」
「ムツルは…俺が守る」
「……先に行く」
そう言ったアロク王子は扉の前に足を動かした。
俺も扉に近づくため、足を動かしたが、俺が動くのと扉を開けるのが同時だった。
部屋の中にムツルの姿はあるのか、まだ俺には確認がとれない位置にいた。
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