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『六節/6』
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「ボクは……誰?」
「ムツル落ち着け。ムツルは誰でもないムツルだろ?」
「牙刃には解らないよ…ボクの正体なんて」
「……ムツル…」
「知りたいか?お前の正体を」
「アロク!」
「正体を知りたいか?」
「知りたい!」
「やめろ、アロク!」
もしムツルが殺人鬼として生きていたことを思い出したら、今ここにいるムツルが壊れてしまう。
そんな予感がしたんだ。
今のムツルは敵味方なしに優しくしそうだし。
異世界から来た俺を受け入れたし。
だから、俺はムツルを守るんだ。
どんな奴にも、どんな敵にも。
───…どんなに知っている鬼でも!
「いい加減にしろ!!」
「…」
「牙刃…?」
「どんな奴だったかなんて知らなくたって、ムツルはココにちゃんと存在してんだからいいだろうが!」
「でも、ボクは知りたいんだよ?」
「それでもダメだ」
「牙刃っ」
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