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最終章『七節』
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目が覚めたら、そこは家の前だった。
俺は戻ってきた。
帰ってきたらしい…。
旅が終われば、勇者は姫と仲良く城で暮らし、仲間たちも、それぞれの故郷で幸せに暮らしている───…。
そんな感じでRPGは終わる筈なんだ…なのに。
───なのに、俺はただ一人で、自分の家の前で立っていた。
コンビニ袋とカバンを手にして…。
アレは夢だったのか。
やけにリアルな夢だったな…。
「約束を果たしてねぇよ…」
何が安全な地だよ。
俺は勇者じゃなくてもいいから、またムツルに会いたい。
夢なら醒めなくても良かったのに…。
「こんな世界よりも、俺は…」
扉を開ければ、またあの地獄界に通じるかな。
なんて淡い願いを込めて、扉を開けた。
俺ではなく…別の人間が。
「おかえり、牙刃ぁ」
「……え?…嘘…」
「何やってんの?兄貴」
「いや…だって…ム…む!?」
「六鶴?」
「なんでムツルが!?」
扉を開けたのはムツルだった。
一体どうなっているんだ、誰か説明しろぉ!!
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