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ちび二人組
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「っあ、やっと来た。早くしろよー、陽樹ー!」
日向に置いていかれ、急いで準備をした俺は、ネクタイを巻かずに外に出た。
すると、手を振って玄関で待っていた真南斗にぺしっと叩かれた。
「いたっ...」
「ったく、お前はどんだけ人を待たせるんだよ?」
「悪かったって」
頬を膨らませて怒る真南斗に謝り、ふと静かな日向を見た。すると、日向もこっちを見ていた様でばっちりと目があった。
「.....っ、....」
一瞬で目を逸らされたから、何か言ってやろうとしたら真南斗がぐいぐいと日向を引っ張った。
「日向ぁ、また陽樹に何かされたんでしょ!だから機嫌悪いんだな...?」
「....ぅ、そうなんだよー!何とかしてまーくん....!」
二人はそう言い合うと俺を睨みつけてきた。
.....や、全然怖くねぇし....。てか真南斗もさりげなく日向と抱き合ってんじゃねぇよ...!!
「何もしてねーだろ。ほら行くぞちび共」
そう言うと、割とまじで真南斗に殴られた。
馬鹿力なのは昔から変わらない。
日向もいつもはつっかかってくる癖に、今日は大人しくて俺の顔もあまり見ない様にしていた。
「ちびって言うなよ!!っかお前がデカイんだよ!」
「はいはい」
俺達がそんな風に言い合っているときも、どこが上の空で、ぼーっとしていた。
「.....日向?」
「あ、....何?」
日向ははっとして返事をした。けれど、俺の方は向かなかった。
「.....おい」
「っな、なんだよ?」
ぐいっとこちらを向かせようと頬をつかんだら、ぱしって手を払われた。
「ぁ、あの....ごめん........、や、やめて....」
「..............わかった」
日向がまじで嫌そうにするから、やめた。
........なんでだ...?
いつもは顔を赤くして照れながら、でも、嫌そうにされた時はなかった。
さっきのか?風呂場で起きた事を気にしているのだろうか。
......まぁ、あれは告白されたみたいなもん...なんだろうし。でも本人は俺に言われるまで気付いていなかった様だ。
真南斗は、俺達がいつも以上に気まずそうなのを思ってか、すっかり困り顔になっていた。
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