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泣かないで
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「っぅ、ひくっ、....ぅぇ、っ」
日向は、まるで小さい子供の様に泣き始めてしまった。
「日向......っ、泣かないで.....」
俺はどうにか日向に泣き止んで欲しくて、よしよしと頭を撫でた。陽樹先輩みたいに大きくは無いけど、何とか変わりになりたかった。
「っふぇ、しま、っ..ごめん.....っ」
「うん.....うん....」
いつもの日向らしくなく、俺に抱き付いてきた。
嫌なんかじゃなかったけど、こんな日向を始めて見たから不安だった。
「っふ、おれ、っわかってたの....っはるきがっ、おれのこと好きじゃないなんて.....わかってた....っ、はずなのに.....ぃ」
「.......うん」
「っかなしぃ....っ、はるきが.....すきになってくれないの....っいやなの......っ」
......何も言ってあげられなかった。
ただひたらすら、日向の話に頷くしかなかった。
「っやだよぉ.....っ、はるきのこと、すきなのも...っ、やだよ....っ」
「そうだね.....」
あまり体型の変わらない日向を抱き締め、ぎゅっと腕に力を込めた。
......泣かないで。泣かないで日向。
いつもみたいに生意気に笑ったらいいよ。
いつも通り、俺は許すよ。
ほんとは健気に先輩を想ってる日向が、見てるのが幸せなんだ。
恋なんかしたことないけど、二人の話を聞くのが、好きなんだ。
「......日向....」
俺は日向の名前を一言呼んでから、どうかこの話が嘘であってほしいと思った。
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