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二人と一人
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「........俺、真南斗も日向も、どっちも大切だから」
「はるき.....」
日向は、何かを耐える様な顔をしている。
.......おれも、この胸にある苦い気持ちに耐えてる。
「真南斗....。さみしかったり、辛かったりしたら、昔みたいに頼って欲しい。俺達、毎日お前の世話になってるだろ。.....こんな事言っていいのかわかんねぇけど、俺達が付き合ってるからって気ぃ使う必要もねぇし」
........どうして、そんなこというの。
そんなこと、はるきの口から言われたって、苦しいのが増えるだけなんだよ...。
なんで....。
「日向も俺も、お前の事ほんとの家族だって思ってるから」
なんで......。
「その....これからも.......よろしくな」
陽樹はそこまで言うと、照れたように顔を下げた。
.........もう...。
「まーくん.....、その、.....俺、まーくん大好き。....だから、こんなおれたちだけど、お願い、します.....」
日向も、そこまで言うとぎゅぅっとおれを抱き締めてきた。
..........っ、そんなこと、いわれたら....っ
「こっちこそ.....、お願いします.....っ」
目に雫が溜まって、どうしよもなくなっちゃって、二人に抱き付いた。
....あぁ、だって、おれは陽樹だけじゃなくて、日向だって好きなんだもん。。
日向に当たるとか、日向を嫌いになるなんて、なれない。
「じゃ、瀬良家も三澤家も、これからも仲良く。母さんの事支えてくぞ」
陽樹は一言そういうと、もう一度だけおれたちを抱き寄せ、くしゃくしゃっと頭をなでた。
「「うん、っ」」
重なった返事に、おれと日向は目を合わせて笑った。
「.....まーくん」
「んー?」
日向は一瞬、泣きそうな顔をした。
それから、陽樹によく似た笑顔でありがとうと言った。
.........わかってたのかもな。
日向は全部。おれが陽樹をすきなのも、それを頑張って隠そうとしてたのも。
最後まで、弟みたいな日向に気を遣わせるなんで、やっぱりおれはだめだなぁと笑った。
「.....ううん......、ごめんね、ひなた」
「っ、そんな」
「幸せになってね。....ありがとう」
日向はこくこくと首を縦に振って、また抱き付いてきた。
「.....おれ、っはるきよりまーくん好き...っ」
「ふふ、おれも日向だいすきだよ」
一歩先を歩く陽樹をみて、二人で笑った。
お前ら何してんだー、なんて言われたけど、そう言う陽樹の顔も幸せそうだったから、また二人で笑った。
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