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窓の外
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「.....しん....ゆうしん.....!!!」
「んぁ.....なに?」
「なにぼーっとしてんだよ」
三年生がグランドでサッカーをしている。
その中で一際小さくて可愛らしい動きをしてる一人をみつめていた。
.......ぁ、転ぶ...!!
「........は、」
「おい、なに見て.....っ?」
つまづいて転びそうになったその人を支えたのは、黒髪で長身なかっこいい人だった。
.....なんて言うんだっけ、あの人。
女子が騒いでたから、知ってる。
「.....はーぁ、」
「おーいー、何でそんな怖い顔してるわけ?」
そりゃ、気になってる人が誰かに赤くなってる顔見せてたらむかつくだろ。
.......やっぱ、惚れてんのかな。
ずいぶん仲良いみたいだし。
「無視すんのやめよう!?」
「岸、お前うるさいよ」
「ひっで~!」
ぎゃーぎゃー騒ぐこいつにため息を吐きながら、もう一度窓の外をみた。
......見失った。
「....お前さいあく......」
「まじおれ泣くよ!?」
はぁ、と二回目のため息を吐いた。
名前も知らないあの人を見る度に、胸がざわつく。
あの日の泣き顔が、とても綺麗な眼が、忘れられなかった。
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