アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5-6
-
「どうせ変わらないんだったら、俺もその他大勢でいい」
今日の西村には色々と痛いことをされてショックなことも言われたけど、今の言葉が一番効いた。
身体だけでいいはずだった。一時の快楽を分かち合えれば十分だった。
でも西村とだけは。
そんな関係に、なりたくなかった。
近付く唇を今度は拒む。そのまま距離を取ろうとした目論みは、力任せに阻止される。
骨が軋むほど強く腕を握られて、俺は眉をしかめた。
「痛い、って…、西村…!」
抗議なんかちっとも聞いてはくれない。
残りのボタンを外そうとする手を、俺は空いている方の手で止めた。
「…なんで、嫌がんだよ」
苛々と吐かれた言葉に、昨日先輩に言われたことを思い出す。
今さらだなんて分かってる。でも今は、先輩のときのように諦めてしまうことは、出来なかった。
「西村、だから…!」
嫌なんだと、身体だけで終わってしまいたくはないんだと、必死に訴えようとした俺の思いは、完全に逆効果だった。
『先輩』はよくて自分は駄目。
西村に届いたのは、そんな上っ面の事実だけだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 42