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「泣かない」そう決意したのが一週間前、それなのに俺は今じいちゃんの部屋で泣いていた。
学校がある時はまだいい。友人もいるし、授業に集中している間は悲しさも紛らわすことができる。
しかし、一度家に戻れば、「ただいま」と言ってももう永遠に返事はこないのだとか、じいちゃんは縁側でようかんを食べながら紫陽花を見るのが好きだったとか、じいちゃんがもういないのだという事実を自分で再確認してしまい辛くなる。そうしてはじいちゃんの部屋で1人座布団を抱き締めながら泣いていた。
「じいちゃん…グス…。」
泣き張らし喉が乾いた俺は台所に水を飲みに行こうと立ち上がった。
しかし、バランスを崩してしまい近くにあった本棚にぶつかってしまった。
バラバラバラバラ
「いってぇ…。」
ぶつかった拍子にいくつかの本が棚から落ちる。
「じいちゃんの本が!」
あわてて拾おうとすると、一冊の古びた本が目についた。
「なんだこれ…。これだけやけに古いな…。ん?」
それを拾いよく見てみると、綺麗な薄むらさき色の紙がはさっていた。
「なんだろう…。」
俺は紙を取ろうと本をひらいた。
すると、突然!!本が青白く光りあたりを光で包み込んだ!
「うわぁ!!なんだ!?」
俺はあまりの眩しさに目をつぶる。
しばらくして、目を開けてみると…
目の前には、長く三つ編みにされた
薄むらさき色の髪に、透き通るような白い肌の美青年が青い瞳でこちらをみていた。
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