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手紙をひらく手が止まる。
早く読みたいのに、どこかでためらっている自分がいる。
これを読めばどうにかしてのみこんだ、じいちゃんの死をまた思い知らされる
。ひらくのが…怖い……。また、あの思いをするのが…怖い……。
手紙を持つ手が震える。
「あぁ、ダメだ」そう思った時、俺の手に彼の手がそっと重ねられた。
「あっ………。」
手元から視線を外し彼をみる。彼は微笑みながら
「大丈夫。大丈夫だよ秋人。僕がいる」
と言ってもう片方の手で俺の頭を撫でた。
俺はすぐに視線を手元の手紙に戻した。
危ない…危うく泣くところだった。もう泣顔は見られているみたいだけどやっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。涙ぐむ目を痒いふりをしてふき取り、俺はすぐ下を向いて良かったと濡れて光る手を見て思った。
彼の言葉のおかげで手紙を読む勇気が出てきた俺は、一つ深呼吸をする。
「すぅーーー、はぁーーー、、、よしっ!!」
手紙を開く。じいちゃんの書いた俺への手紙。
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